香港益昌大廈

カメラ

【作例付き】香港の密。2016

密、恋し。

台湾が、段階的な規制の解除案を発表しました。それによると10月からは(状況を見ながら)外国からの来訪も解禁してゆく、ということだそうです。

少しずつ、ではありますが、人の往来の制限緩和について兆しが見え始めていますね。明日明後日、というわけにはいかないにしても、あと数ヶ月、というレベルで、また飛行機に乗って外国にも行ける可能性もでてきたと考えると、自粛続きの現状でも多少は希望を持って過ごすことができそうです。

医学的な理由がまだわからないので皆なんとなく戸惑っていることろではありますが、コロナウイルスの重篤化リスクについて、東アジアと欧米では(繰り返しますがどうしてなのか理由が明確にはわからないのだけれど)ずいぶん違うことが結果論的に明らかになってきている現状において、封鎖解除案を発表した台湾をはじめ、中国本土や韓国、香港、マカオといった、ANA国際線特典航空券のゾーン区分けで言うところの「アジア1( Zone3)」エリア内の往来については、対欧米のそれよりは早くに解禁されるのではないかなと予想しています。もちろんまだ具体的な旅のプランを立てたりできる時期ではありませんが、2ヶ月にもおよぶ外出自粛の中です、予測に基づく仮想プランを楽しむくらいいいでしょう笑

正直に言うと、僕がアジア諸国にカメラ持って出かけた時に撮ってくる写真の枚数は、欧米に出かけた時のそれに比べると3割か4割、少ないです。これは単に、僕がまだ、だってパリやニューヨークの街ではもう何見てもオサレに感じて撮っちゃうんだもんという、旅人としてフォトグラファーとしてミーハーな段階に留まっていることの証でしかありません。ですがシャッターが進む(ご飯がすすむみたいな言い方になってますが)か否かと旅先としての魅力は必ずしも比例しているわけではなく、写真枚数的には少なめな戦果であってもアジアへの旅も毎度たいへん楽しいです。

2016年に出かけた香港。ソーシャル・ディスタンスが求められる今見ると、実に恋しくなるような密度。

お土産も、密。

看板も、密。

いいですね。床屋、カフェ、マッサージ店… この入り混じりが堪らないです。

ついでに金魚も密。照明の色味が怪しい。

香港は、沢木耕太郎さんの「深夜特急」を読んで以来ずっと行ってみたかったのに、先に書いた通り、カメラ旅を毎年コンスタントに行うようになってからも行き先にはつい欧米を選択する時期が何年も続いていて、2016年、ようやく訪問できました。

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行くーー。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。一年以上にわたるユーラシア放浪が、いま始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ!

もちろん、沢木さんが泊まった「ゴールデンパレス」に宿泊したわけではありませんし(どうやら宿泊したホテルは地理的にはゴールデンパレスに極めて近かったようですが)街並みも「深夜特急」の頃の描写とは全然ちがいましたが、沢木さんが感じた香港のエキサイティングさは自分なりに感じることができたように思います。

自身がその「蜜」の一員となることはなく客観的に眺め、撮っているだけなのに、その状態にしばし浸っていたいと思わせる不思議な心地よさ。にしても近いですね人と人の距離が笑

コロナと、デモと。

時間と費用を自分の働きで捻出しさえすれば、誰憚ることなく大手を振って、国内外問わず自由に行けることってホントに幸せなことなんだなと、その自由を遮られている今、痛感させられます。そして、今回のコロナ禍ですっかり忘れてしまっていましたが、香港では昨年からずっと激しいデモ活動が行われていたのです。単にコロナが終息したからといって、観光での渡航がすぐ可能になるかどうかはわかりません。病疫もなく、地域の情勢も安定していて、はじめてカメラ旅といった愉しみは可能なんだなと思うと、早く再びそんな日が訪れるのを願うと同時に、なんだか自分はすごく贅沢なことしてたんだなと謙虚な気持ちになります。

香港に持って行ったカメラはオリンパスのE-PL5と小さな単焦点レンズを3本だけというミニマムスタイル。小ぶりのリュックひとつだけ、一見すると海外旅行に行くとは思えない軽装での旅路でした。

E-PL5は前にも紹介しましたが、ホントいいカメラだと思います。

作例を撮ったカメラとレンズ

自分的名機。大型化の波に飲まれる前の由緒正しきマイクロフォーサーズ機、E-PL5。

多彩な新機能とともに、PEN Liteが進化。先進の画像処理エンジンと撮像センサーが、OM-Dと同等の画質を実現。タッチ操作で一瞬を切り取る「タッチAFシャッター」や、自分撮りのできるチルト&リバース方式の液晶モニターも新たに搭載。

E-PLシリーズは現在10まで進んでいます。手ぶれ補正、センサー、画像処理エンジン…全部正常進化してますなあ。でも中古で安いPL5買っても全然撮れるとは思いますよ。

■セルフィー撮影などでも強力に手ぶれを抑えるボディー内手ぶれ補正機構を搭載。プロフェッショナルモデルと同じ画像処理エンジン「TruePic VIII」を採用 ■スマートフォン感覚で液晶モニター上の被写体にタッチするだけで、ピント合わせと同時にシャッターが切れる。液晶モニターを下に開くと自動的に自分撮りモードに切り替わり。■内蔵WiFi、Bluetooth搭載 ■簡単な操作でクリエイティブな写真が撮影できるアートフィルターを全16種類搭載。

レンズも紹介しておきます。作例の1枚目(マンション)、2枚目(夜市)、3枚目(土産物店)はオリンパス M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0。

◆職人の技と最先端の技術で、小型化と高性能・高画質を高い次元で実現「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」には、諸収差の効果的な補正やレンズの小型化に役立つが、レンズ中央部と周辺部の厚さの比が極めて大きく、高精度な技術が必要なDSA(大偏肉両面非球面)レンズを含む非球面レンズ2枚、球面収差の補正能力が高いスーパーHR(超高屈折率)レンズ、色収差の補正に絶大な効果を発揮するED(特殊低分散)レンズ1枚などを含む、8群11枚のレンズが使われています。

4枚目(看板)は同じくオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8。コスパ最高、軽量コンパクトな換算90mm中望遠です。

美しい背景ボケを、手軽に楽しめる。ママのためのファミリーポートレートレンズ。開放F1.8からの優れたレンズ性能と背景ボケを考慮した設計により、被写体がくっきり浮き上がる印象的な撮影が可能です。ゴーストやフレアを徹底的に排除するZEROコーティングをレンズに施すことで、逆光などの悪条件下でもクリアな描写性能を確保しました。重さわずか 116gだから、気軽に持ち出してご家族やペット等の日常のポートレート撮影を楽しめます。

5枚目(金魚)と6枚目(路地俯瞰)がLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. 僕の最も好きなレンズです。パナライカ、という言い方にはかつて、本家LEICA製でないことをちょっとdisるニュアンスがあったと思いますが、その本家に見劣りすることのない写りで、今ではパナライカというワードを製品名の頭につけたDGレンズ群はすっかり市民権を得ていますね。素晴らしい作例を生み出してきたマイクロフォーサーズユーザーの諸先輩方のおかげですね。

・マイクロフォーサーズ用AF交換レンズとして明るい25mm/F1.4。・人物、風景、スナップ等の幅広い撮影領域で、ピント面の鮮鋭さとアウトフォーカス面の柔らかいボケ味を生かしたライカレンズ独特の表現が可能。・味わい深い写真を撮りたい方や撮影の幅を広げたい方にも楽しんで使っていただけるレンズ。

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