オリンパスがカメラ事業を投資ファンドに売却
オリンパスが、デジカメを含む映像事業を国内投資ファンドに譲渡すると発表しました。僕のみる限りSNS界隈では冷静に受け止められているようですが、少なくとも喜ばしい話ではないですよね。
「OM-DやPENといったブランド名はどうなる?」「ペンタ部に『OLYMPUS』ロゴは残るのか?」といった話題が多いようですが、僕は素朴に「これだけ固定ファンのいるカメラブランドが赤字なんだなあ、デジカメ業界って大変なんだなあ」という間の抜けた感想を催してしまいました。オリンパスのカメラが、プロダクトとして優秀(他社と比較した相対値ではなく、絶対値として、です)なのは改めて語るまでもないでしょう。いささか漠然とした表現にはなりますが「つくりの良さ」という文脈でしばしばオリンパスのカメラは取り上げられている頻度が高いように思います。
今はパナソニックのLUMIX機をメインにしている僕ですが、数年前まで旅スナップでのメイン機はオリンパスのPEN Liteシリーズでした。
レンズについても、全てではありませんが、ものによってはとんでもなくモノとしての質感の高いオリンパスレンズってあると思います。とりわけ、小ぶりなM.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0は、個人的にはマイクロフォーサーズレンズ群の中でも5指に入る傑作だと思います(もちろん写りも素晴らしい)。純正フードの造形にこれだけ力の入ってるマイクロフォーサーズレンズ、他にないんじゃないかな?
ヘッダーに置いた写真はE-PL3で撮ったパリです。実質2日半くらいの滞在で1000枚以上撮りました。初めてのパリ、夢中でしたね。
こちらはバルセロナ。この旅の直前にE-PL5に買い替えたので、デビュー戦ですね。E-PL3とE-PL5、操作も色調の傾向もほぼ一緒でしたから何も戸惑うことはありませんでしたが、でもE-PL5になって、シャープさは増したのだけどそれが決して硬質なものではなく、非常にこう「自分的お気に入り」が撮れる率が上がってきたように思います(もちろん自身の技術的心理的な変化もあったのだろうとは思いますが)。
こちらニューヨーク。E-PL5です。この旅でもぎょうさん撮りましたなあ。写真右側に、コンデジを構えている男性が写っていますが、コンパクトなレンズをつけたE-PL5のコンパクトなボディを持ったコンパクトな僕(ほっといてくださいよ)は、彼より全然存在感を消して、群衆に溶け込んでいたはずだと思います。もっともこれ、わずか数年前に撮った写真ですが、今とは街中におけるスナップ撮影に対してのナーバスさは違ったとは思います。ですが、少なくとも一眼レフカメラをガッと構えて撮れる写真じゃないことは確かですよね。いやあE-PL5いいなあ今こうして見返しても。
シアトル。これjpeg撮って出しですが、青が綺麗ですよねほんとに。「オリンパスブルー」の呼称は、今回の譲渡がどういう形になろうとなんとなく残る気がしますねファンの間で。
香港。もう4年前なのか。
こうやって各地1枚ずつだけで振り返ると「オリンパスと廻った世界」とかえらく大袈裟なタイトルでこっ恥ずかしいですが、ま、あくまで当人の感覚としてはオリンパス持ってあちこち行ったなあ、と感慨に浸るには充分な歴史があるんです許してください笑
VAIOやBIGLOBEのように
無論、VAIOやBIGLOBEの例のように、OM-DやPENが、今回の譲渡でいい方向に進む可能性だってありますしそれを願っています。そもそもにして、マーケティング戦略だとか営業力だとかそうした面はわかりませんが、内視鏡での世界シェアをみてもオリンパスの光学面での技術力って絶対に高いと思うんです。なので、極端に言えばブランド名はともかくその技術力だけは継承されていってほしいなあと、一ファンとして願わずにいられません。
E-PLシリーズ、現状の最新機は昨年末にリリースされたE-PL10になります。ミラーレスカメラのエントリーモデルに見られる傾向ですがこの機種も女性ユーザーを強く意識しているのがサイトの造りからも伝わってきますが、黒モデルですとかなり精悍でカッコいい。もしかしたら「OLYMPUS」のロゴを冠した最後のPENになるかもしれないから値上がりしてたりして…とちょっと思ったのですがなんら変化ないようで汗 世の中、案外冷静なんですね笑
ちなみに! と「!」をつけるほどの話でもありませんが、今回紹介した5枚の写真、レンズは全てLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 ASPH. でした。最愛のレンズ。上段でオリンパスのレンズをさんざん褒めておいてあれですけど。オリンパスボディとの相性もたいへんよろしいですよ。