無人島に1本だけ持っていくなら…
GX8のキットレンズとしてセット購入したズームレンズです。もっぱら単焦点レンズでスナップを撮って楽しむ、というのが僕のスタイルですが、前の投稿でも書いた通り数年前より徐々に仕事現場でカメラを使う機会が増えてきまして「つけっぱなし」で対応しなきゃいけない現場もあったりしたもので、仕事での使用も想定してGX8を買った時に「高倍率ズームセット」という形で(マイクロフォーサーズのキットズームとしては高めの価格ではありましたが)導入した次第。
GX8と組み合わせた姿はこんな形。なるほどいいバランスですね。非常にこう、しっくりきますなあ。Panasonicが、このレンズをキットとして組ませているカメラはGX8と、新しいG99だけじゃないですかね? ボディサイズ(あとカメラ側の価格帯)との兼ね合いだと思います。というか、GX7 Mark2にこのレンズ付けたりしますと若干バランス悪いです。
このレンズの特徴は、なんといっても14-140mm(35mm換算28-280mm)というそのズーム幅でしょう。僕の今現在のマイクロフォーサーズレンズのラインナップでも、140mmは最長です。ま、ちゃんとした望遠レンズ持ってないってだけの話なんですが、今の自分の用途では、例えばLEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH.みたいな望遠レンズがいるかと問われれば、たぶんいらなくて、その予算があるならどちらかと言えば広角ズームのほうが欲しいですね。
標準域についても、GX8 + G 14-140mmの組み合わせを買った後に、より写りの良い標準ズームを求めて、LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.という素晴らしいレンズを後に買ったんですが、でもその時にこのG 14-140mmを手放そうと思わなかった理由は、ひとえに「よりテレ側」が必要になるケースに備えて、というものです。言うまでもなく、描写、モノとしての質感、どちらにおいてもLEICA 12-60mmのほうが格上です。換算120mmというテレ側も自分の場合であれば80%の現場においてそれで事足りる長さ。事実、企業へ取材に行くような場合や、仕事仲間との合同社員旅行みたいな時にはLEICA 12-60mmを持っていきます(余裕があればLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4もプラスして)。ですがですが。企業広報仕事の一環でスポーツ部活動の取材に行った時とか、ボランティア活動の取材した時なんかはこのG 14-140mmのほうを持って行ってて、で、いやーこのレンズ手放さなくて良かったぁーとその度に思いましたね。F値は3.5〜5.6と平凡ですし、LEICA 12-60mmに対して大は小を微妙に兼ねてないのだけど、明日は12-60mmで行こっかな、と支度してる時に「もしテレ側足りひんかったらどうする…」と肩口で何者かがささやくんですね小声で。「いや、明日はオフィス内だけの撮影のはずだからLEICA 12-60mmでいいのだ」と思える時はそうしますが、そうね、と素直にそのささやきに応じたことも何度かありました。
つまりこのレンというのはかなり「消極的な選択」で使われていることにはなります。なるのですが実にそつなくそのニーズに応えてくれるんです。なのでいま私が、無人島に行くのに1本だけレンズを選べといわれたら(いかなるシチュエーションでそんな選択を迫られるのかわかりませんが)まず一度LEICA 12-60mm、と答えたのち、しばし黙考し、いややっぱり、と、このG 14-140mmを選ぶかなあ。沖合をゆく外国船とか大きく撮れそうだし。
何度も言うけど軽さは正義
あと、軽いんです。LEICA 12-60mmの320g(それも十分軽いんだけどね)に比べて G 14-140mmは265g。GX8のボディと合わせても700g。35mm換算28-280mmの焦点距離をAPS-Cやフルサイズ環境で揃えたら、もっとずっと重くなるはず。はずとか言ってないで検証してみましょうか。APS-Cですと似たようなズーム域をカバーするレンズがそもそもそんなになさげですね… 18-200mm(35mm換算27-300)ってのが、少々古い製品ばかりですがCanon、Nikon、TAMRON、SIGMAとあるんですね。
TAMRON 18-200mm F/3.5-6.3 Di II VCと、ボディはCanon EOS 70Dにしましょうか。まずレンズが400g(タムロンのサイトでは「世界最軽量」と謳ってるんですね。APS-Cの中では軽量・高倍率な優れものなんですね)。EOS 70Dのボディが675gなので足して1075g。
フルサイズとなると… 焦点距離で検索するとやっぱりタムロンが出てきますね。TAMRON 28-300mm F/3.5-6.3 Di VC PZD、これが540g。ボディーは、ミラーレスのSONYのα7IIIにしておきましょうか、565gなので合計で1105g。
…言うほど大差でもないなという気もしてきましたが笑(特にAPS-Cのほうはボディにもっと軽量な選択肢あるでしょうしね)、数百グラムという単位での違いはやはりありますので、マイクロフォーサーズ・フォーマットのメリットを存分に感じさせてくれるレンズであることは確かでありましょう。
作例
神戸出張の時。空港からのモノレール車内から、対岸の市街地を。こうやって、ズームって、あればあったでテレ側使いますよね。。
仕事終えて念願の甲子園に駆けつけた2枚表で絶望の図。阪神はしょうもないですが写りはクセも歪みもなく素直です。一塁側アルプススタンド席からここまで寄れる、というのをお見せしたかっただけです。
気を取り直して夜の港へ。素直な描写、ですよねボキャブラリーが貧困ですが。ミニ三脚を使ったと思います。
これ1本でいいんじゃね?…とは思わない(笑)
素直、ではあるもののこのレンズ、描写に突出した個性を感じないのもまた確かです。なので、万能ではあるもののやっぱり自由なスナップであれば単焦点のLEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4などで撮るほうが楽しいし、標準ズームであればズーム域さえ足りるならLEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH.のほうが明るいしいい描写します。なのでよく、こうした万能レンズのレビューで見かける「もうこれ1本でいいんじゃないか」的なフレーズは、自分の場合は当てはまらないですね。なのになきゃ困る、という。それは例えるならレンタカー屋さんを営むならハイエースみたいな車のラインナップはマストだよね、というようなものであり、冬用のアウター何着ももってるけどやっぱりユニクロのウルトラライトダウンジャケットって要るよね、というようなものであり、スーパーに買い出しに行った時、何を作るのかいつ食べるのかよくわからないままシーチキン5缶パックのやつをカゴに入れるようなものでもあります。もういいでしょうか。
褒めてるのかdisってるのかかよくわからない機材紹介になってしまいましたが「よりテレ側の長い望遠レンズ」の購入、もしくはオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3のような、ズーム倍率においても手ブレ補正性能においてもLUMIX G VARIO 14-140mmを上回る便利ズームへの置き換えのない限り、このレンズは手元に置いておくことになると思っています。
そうですね、もし↓これ(M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm)を買えば、LUMIX G VARIO 14-140mmの出番はなくなってしまうでしょうね。。でも10万切ってるとはいえちょっと高いしなぁ、想定される使用頻度とのバランスで考えると二の足を踏むところです。